デジタルピッキングシステムとは
デジタルピッキングとは、デジタル表示器を利用した作業支援システムです。工場や物流センターの作業者は、表示器のランプが光った場所に足を運び、表示された数だけ商品を取り出します。このように表示器の指示に従って行うピッキング作業は、正確かつスピーディーなピッキング作業を実現します。
作業方法としては、摘み取り方式(ピッキング)と種蒔き方式(仕分け)があり、それぞれデジタルピッキングシステム(DPS)デジタルアソートシステム(DAS)と呼ばれています。
従来の出荷指示リスト(ピッキングリストや仕分けリスト)を手に持って読んで作業するリスト方式に比べて、平均して2倍以上の生産性と10倍以上の精度が実現できるとして、いずれも物流作業の効率を大幅に向上できる手段として高く評価されています。
当社の表示器には、有線通信タイプと無線通信タイプがあり、かつ1000種類以上のモデルがありますので、お客様の現場の環境に応じて最適な表示器をお選びすることが可能です。
アイオイ・システムでは「取扱品目」「業界」「課題」「作業方法」の4つの軸から
お客様のニーズに合わせて最適なソリューション・製品をご提案します。
全てのソリューションは組み合わせが可能です。
リスト(伝票)ピッキングとデジタルピッキングの違い
リストピッキング
- 伝票読み(商品名と数量確認)
- 商品探し
- ピッキング
- 再度の伝票読み(商品と数量を再確認)
- 伝票消しこみチェック
デジタルピッキング
- 伝票読み不要
- 商品探し不要(ランプの点灯場所へ行くだけ)
- ピッキング
- 再度の伝票読み不要
- 伝票消しこみチェック不要(ランプ消灯)
ピッキングスピードは2倍以上
伝票でのピッキングにおける「伝票を見る→頭で判断→商品を探す」という部分をなくし、ランプの点滅しているロケーションから表示された数量をピッキングすることから、デジタルピッキングは単純比較で最低2倍のスピードでの処理が可能となります。
お客様現場の課題とDPSによる解決方法
- ポカミス防止
- 作業者の負担軽減
- ペーパーレス
- スピードアップ
- 処理件数が膨大
- スペースの有効活用
- 作業履歴管理
様々な課題を解決
作業ミスを防止
人の作業の生産性では、DPSやDASの優位性が示されているが、人間作業系でミスを防止するには作業スピードを落とすことになります。作業スピードを維持してミスをなくすために、ピッキングしながらPOS検品するピックアンドチェックシステム
作業者の手の位置を検知して間口の間違えをチェックするポカヨケスクリーン
間口個々の表示器にゲートを備えて作業ミスを防止するポカヨケゲート
仕分け棚の間口個々に重量検品装置を設置してネットワークで連携することで、仕分けしながら重量検品するウェイトアソートシステム
と商品や部品の属性と物流の諸特性に応じて投資効果に配慮したシステムを選択していただけるよう、さまざまなソリューションでお客様のニーズに対応しています。
省電力化へのアプローチ
環境保全と省エネへの観点から、家電製品のみならず電気・電子機器の省電力化が進められています。また、表示媒体としての使い捨てになる紙の消費を削減すべく、電子ブックなどの製品がネットワーク技術の進化と相俟って脚光を浴びています。
消費電力の低減に向けて、従来使用してきたLED表示器JWシリーズ、他に代えて、電子ペーパー表示器を開発しました。その結果、消費電力の大幅な低減と合わせて、表現力が向上し、数字や文字以外にバーコードや画像なども表示できるようになり、デジタルピッキングシステム以外に様々な用途にも活用の道が開かれています。
商品棚や仕分け棚のロケーションの変更に合わせて表示を書き換えることで、棚番ラベル、商品ラベル、出荷先ラベルなど、従来は必要の都度、紙に印刷して棚などに貼付していたラベルが要らなくなり、ここでも使い捨てではなく、ペーパーレスでスマートな表示システムが実現しました。
フリーロケーションとモバイルへの挑戦
表示器のフリーロケーションとモバイルのニーズに応えて、無線通信方式の表示器システムも開発しています。無線表示器はフリーロケーションでの利用はもとより、移動しながら作業指示が提示できるというモバイルシステムとしても利用の道を広げることになりました。無線式ピッキングシステムとは、デジタルピッキングシステムを導入したいけれど、配線工事をしたくない、表示器を自由に動かしたい場合などに最適です。仕分け作業で多くご使用いただいていますが、終了後にラックやコンテナごと撤去することで、作業スペースを有効活用できます。様々なレイアウトにも柔軟に対応できますので、現場の環境に合わせてシステム構築できるのもポイントです。作業生産性と精度向上のために進めてきたペーパーレスが、結果としてプリンターレスにもつながり、省資源・省エネにも対応できるという一石二鳥の技術を実現しました。製造と物流を司るお客様からのニーズと現場のニーズに対応し、デジタルピッキングシステムのみならず、作業支援システムの進化をアイオイ・システムは今後も進めていきます。